チェリモヤ


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実生苗&セイバー
日付 2005/12
話題 チェリモヤとは・・・。
ファイル1 ファイル2
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正式名称 Annona Cherimola Mill.
チェリモヤは”冷たい乳房”という意味だそうです。
熟した実は柔らかくまた表面もしっとりとして本当に女性の乳房のようです。
チェリモヤは完熟した状態だと保存が効かないので市場に流れる物は大体、早取りされたものを流通して、追熟は家庭で常温保存で10日から2週間ほど熟して人肌くらいに柔らかくする必要がありますが、高級果実ゆえ腐らないように冷蔵しないといけない、と販売する側も先入観でマンゴー辺りと一緒にキンキンに冷やしちゃったりしてます。
ですが、本当に美味しい完熟したチェリモヤは本当にとろとろして甘くて美味しいです。
堅くて不味かったら、それはきっと熟してないと思ってください。(^^;
興味のある人は日本で唯一チェリモヤの品種登録「粋豊」を栽培しているわかやまTropicsさんで注文すると追熟が進んだ状態で送られてくるのでお勧めです。
果物としては高級かもしれませんが、1生に一度は味わって欲しいと思います。

チェリモヤはバンレイシ科の中では代表的な果樹で、日本ではあまり作られていない物のマンゴスチン、パイナップル(マンゴー?)と並び世界3大フルーツの一つに並び称されます。
中身は乳白色で非常に糖度が高くかつ酸味も少なく、果実酒の様な芳香、また滑らかな口当たりは気品溢れる果実でありながら、一流のパティシエが作った完成されたスイーツのようです。
成長は早く、結実から3年で実をつけるとも言われています。

熱帯果樹でありながら、アンデスの高山で生まれたため、シーズン通して(15度〜25度)一定範囲の温暖な気温を好みます。
真夏の暑さには弱いため熱帯果樹としてのイメージとはちょっと違うかもしれません。
当然ながら耐寒温度は0度までと氷点下の寒さにはとても耐えられないため、冬は室内のスペースが必要となってきますが、高温を必要としないため冬さえ乗り切れば日本でも栽培・結実は十分可能であると思います。


ファイル1は実生苗で樹葉園で送ってもらった物です。
2本あるのですがそのうちの一本がやたら伸びてます。
ファイル2はセイバーという品種です。
AY-NETSHOPでお聞きしたらネットカタログにはなかったのですがなんとわざわざ沖縄の農園の方から(!)取り寄せていただきました。(゜ロ゜;)
その節はどうもありがとうございました。

更新日時 2006/08/30/13:01:39

話題 チェリモヤの品種について。
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チェリモヤの品種を調べてみました。

※インプレッサ(フィンガープリント)タイプ・・・すべすべした果皮に指紋(フィンガープリント)のような模様が規則的に並ぶタイプ。
※マミレートタイプ・・・果皮が厚めで突起状のこぶが出来ます。
※ツバキュレートタイプ・・・ぼこぼことしたこぶの果皮が出来ます。
※アンボネートタイプ・・・インプレッサ(フィンガープリント)タイプの果皮に小突起が出来ます。

ベイズ[Bays]
1920年、ジェームス・ベイズ氏がカリフォルニア州ベンチュラにて選抜されました。
特徴としては6メートル近い木になります。実は中くらいのサイズで、皮は緑色でインプレッサ(フィンガープリント)タイプ。
食味も良好でレモンに似た風味だそうです。

ビッグシスター[Big Sister]
1979年、ジェームス・ナイツェル氏によりカリフォルニアのサンティエゴで選抜されました。セイバーと兄弟。
特徴としては、果実は大きく、非常に滑らかであり風味も良好です。
インプレッサタイプで、自家結実も多い豊産性の品種です。

ブース[Booth]
1921年、A.F.ブースによってカリフォルニアのハリウッドで選抜されました。
チェリモヤでも最も強健な品種で、地域による適応力が高めなようです。
木は最大で6mから9mにもなり、実は中サイズのインプレッサタイプ。パパイヤのような風味ですが種がやや多いのが難点です。

チャフィ[Chaffey]
1945年、A.M. チャフィ氏によりカリフォルニアのロサンゼルス西区で選抜されました。種子はアルゼンチンのサルタからのものです。
特徴としては木は開帳性で、成長も早いです。果実は小〜中サイズで丸みのあるインプレッサタイプ。食味はレモンのような風味があります。

エクアドル[Ecuador]
木は太く、枝も広がっていくように強健なので選抜されました。
実は中サイズで、果皮は深緑でマミレートタイプ。食味も良好です。

エルバンポ[El Bumpo]
1986年、ルディー・ハルザ氏がカリフォルニアのヴィラパークにて選抜しました。
商業用には適合しませんでしたが、実は円錐形のマミレートタイプで中サイズの果実になります。
果皮も柔らかく実際に食用にもされ、とても素晴らしい食味とも言われています。

ハニーハート[Honeyhart]
実は中サイズ、皮はしっとりと滑らかで黄緑色の皮で覆われています。
滑らかな繊維質でありながら、ジューシーで素晴らしい風味です。

ナイト[Knight]
中くらいの樹勢、中型の薄緑の波のような葉があります。
果皮は薄く小さな突起物がありますが、果実は石細胞を僅かに含みとても甘いです。
リビー[Libby]
1986年、ルディー・ハルザ氏が、カリフォルニアのヴィラパークで選抜。
樹は大きく、実はインプレッサタイプの円錐形で早い収穫が見込め、甘くてコクのある風味という事です

マクファーソン[McPherson]
ピラミッド状の9メートルもの元気な樹になります。
果実は小〜中果実、種は少なく、果皮は深緑のインプレッサタイプ。
バナナのような風味ですが温度によって甘みが異なって熟します。

ナタ[Nata]
1983年、ジョージ・イメリチ氏がカリフォルニア州フォールブックでエクアドル由来の実生苗から選抜。
樹勢は強く、また花も多く自家受粉も多い。
果皮は薄く滑らかで薄緑の円錐形で果重は600〜1kg以上にもなります。
風味は酸味とのバランスがよいとの事です。

オットー[Ott]
1936年、ウィリアム・オットー氏がカリフォルニア州ラ・ハブラにて選抜。
メキシコの種子から樹勢の強い物を選びました。
果実はツバキュレートタイプで、中サイズで黄色い細いハート型になります。
種は多いですがとても甘く、また早く収穫できます

ピアス[Pierce]
樹は大きく、葉も深緑色で大きいものができます。
果実は中サイズの細長い円錐形で、非常に滑らかな果皮にとても甘い実ができます。

セイバー[Sabor]
1979年、ジェームス・ナイツェル氏によりカリフォルニアのサンティエゴで選抜されました。ビッグ・シスターと兄弟種。(大きな姉だから姉妹?(^^;)
果実はマミレートタイプで、大きさは個体差がありますが平均的には大きくないそうです。
風味は最高級とのことです。

ホェーリー[Whaley]
1924年、カリフォルニアのハリウッドで選抜されました。
樹勢はほどよく活発で大きくなります。果実は中から大きなサイズの薄緑の円錐形のツバキュレートタイプの実で風味も良好で種は多めの様です。

ホワイト[White]
1926年、J.H.マクファーソン氏によりカリフォルニアのレモングローヴで選抜されました。
樹は開帳性で最大10m以上にもなり、カリフォルニアのカーピンタリアでは主要品種でもあります。
実は大きく1.8キロの実がなり、円錐形のアンボネートタイプで小さな突起が出来ます。
味はジューシーで、マンゴーやパパイヤの風味を弱めたもののようです。

ベイオットー[Bayott]
ベイズとオットーのハイブリッド種。
小中果実で滑らかで卵のような形です。

デリシオーサ[Deliciosa]
マミレートタイプのでこぼこした円錐形の大実系中生品種です。
整った風味で皮は厚めです。豊産性、耐寒性とも高いですが、輸送性にやや難があります。

ライアソン[Ryerson]
円錐形で中型の実は非常に滑らか&非常に優れた甘さを持つ早生系品種。

ブロンシァーダ[Bronceada]
600gから1.3kgもの実ができ、保存性が比較的高く、成熟すると色が深い緑になるため収穫し易いメリットがあります。
多くの国で栽培されてるチリ系の品種。

更新日時 2006/08/03/17:08:00

話題 世界での品種の分布と、接木の親和性
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世界の品種つづき。

バートン[Burtons]
実は心臓のような形のインプレッサタイプで優れた風味を持つが結実性は悪くはないが花が小さく人工受粉が難しい。ニュージーランド系晩成品種。

バートン・フェイバリット[Burtons Favourite]
病気に強く、樹勢も活発で強い。実は甘み風味強くジューシーなインプレッサタイプ。適度に結実し、8月から10月に重い実をつけるニュージーランド系品種。

レアタイ[Reretai]
インプレッサタイプで甘くてジューシーな450gから700gほどの心臓のような形の適度のサイズの実ができますが、黒くなり易いという事と非常に種が多いという事が難です。ニュージーランド品種。

スムージー[Smoothey]
手ごろなサイズと安定した形状で、風味も良好。結実しやすい豊産性なニュージーランド早生種。

フェテ[jete]もしくは、フィノ・デ・フェテ[fino de jete]
成熟したものに皮膚から黒い斑点が現れる事もありますが、甘み風味強くジューシーで形状も端正な物が多い中生種。チェリモヤ栽培の盛んなスペインの主要品種。

パーラー[Perla]
甘み強く真珠のようにとても白い果肉だそうです。種も少なく、ニュージーランドでは7月から8月に熟してきます。

コンチャ・リサ[Conchalisa]
チリの主要品種で果実は日本にもよく輸入される品種です。風味もよく、端正な形状で樹勢も強いです。

スパニッシュ[Spanish]
スペインと同品種かわかりませんが、ニュージーランドでは甘くて大きな実を7月から8月につけます。

カーター[Carter]
長い円錐形で滑らかな青銅色の果実がなります。
葉っぱはよく捻じれます。

以後、品種情報発見次第、随時追加。



チェリモヤは日本ではあまりメジャーな果物ではありませんが、世界各国でも商業的に生産されている果物です。
下記はチェリモヤの生産国で[英字]内は好まれてよく栽培されている主要品種名です。

オーストラリア・・・[Andrews]、[Kempsey]、[Mossman]

ボリビア・・・[Bronceada]、[Concha Lisa]

カリフォルニア・・・[Arthur]、[Bays]、[Bonita][Booth]、[Carter]、[Chaffey]、[Deliciosa]、[Bumpo]、[Golden Russet]、[Haluza No. 2]、[Horton] [Libby]、[Lisa]、[Loma]、[McPherson]、[Mira Vista]、[Oakwood]、[Ott]、[Peru 7752]、[Peru seed No. 24]、[Pierce]、[Ryerson]、[Sabor]、[Sallmon]、 [Spain]、[Thomson]、[Whaley]、[White]

チリ・・・[Bronceada]、[Canaria „canaria clasica“]、[Capucha]、[Concha Picuda]、[Concha Pesada][Concha Corriente]、[Concha Lisa]、[Cuero Dechando]、[Dedo de Dama]、[Impressa]、[Juliana][Juniana]、[Margarita]、[Piña]、[Plomisa]、[Popocay]、[Serenense Lisa]、[Serenense Larga]、[Terciopelo or Felpa]、[Tumba „sandia“]

コロンビア・・・[Amarilla]、[Blanca]、[Lisa]、[Negra]、[Rio Negro]、[Rugosa]、[Tocarema]

スペイン・・・[Basta]、[Negrito]、[Pinchua]

ニュージーランド・・・[Bays Mt]、[Bronceada Mt]、[Burtons Mt]、[Burtons]、[Chaffey Mt]、[Deliciosa Mt]、[Favourite]、[Favourite Mt]、[Jete]、[Kent (PK)]、[PK 31]、[P43 Mt]、[P52 Mt]、[Piña]、[Mt]、[PK2 Mt]、[Q Mt]、[Reretai Mt]、[Smoothey]、[Spain]、[White]

ペルー・・・[Asca]、[Chavez]、[Chiuna 1]、[Chiuna 2]、[Chiuna 3]、[Conde Concha]、[Cumbre]、[Guayacuyán]、[Lope Concha]、[Ñamas]、[San Miguel]、[Sander]

日本では、特にチリ産からの輸入物が多いようです。


また以下はチェリモヤと他のバンレイシ科の親和性です。

左は接ぎ穂、右は台木です

〇 チェリモヤxアテモヤ
〇 チェリモヤxチェリモヤ
〇 チェリモヤxバンレイシ
〇 チェリモヤxギュウシンリ
? チェリモヤxトゲバンレイシ
? チェリモヤxポンドアップル
× チェリモヤxヤマトゲバンレイシ



更新日時 2006/08/02/21:46:28

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